Fumikatsu Nakamura

私は昔から集中力が足りないと方だと思っています。 実際、受験生だった頃も、机の前に座っていられるのは1時間が限界。すぐに違うことに気が散ってしまい、現在も仕事に集中していられるのは1時間が精一杯といったところです。

その点、ジムカーナという競技は、最大でも2分程度の時間集中しきれば良いので楽勝といったところなのでしょうか?

とは言っても、ジムカーナのタイムアタックはその2分程度の時間の中に、20~30程のターンがあり、ターンからターンの間隔も短いところで1,2秒位で、ラインどりやスロットルを開けるタイミング、タイヤにも気を配らなくてはならず、頭も体もこなさないといけない仕事量はかなりのものです。

1時間続くと思っている自分の集中力もタイムアタック中に最大値で使っていくと、2分ももたないことに気がつきます。

集中力というものは、「何時間持続できる」というものではなく、「これだけの仕事をこなす量」といった感じで、やることが増えれば増えるほど集中力はすぐに切れてしまうもののようです。

そこで、限りある集中力の使い方ですが、大会中に他の皆さんを観察していると、スタート前からかなり集中してコースのイメージトレーニングをしている人もいれば、スタート位置についてもまだ余裕の表情をしている人もいます。

人それぞれで、集中のしかたも違うようです。

私自身、ウォーミングアップから気持ちを高めて集中していく方法と、スタート位置についてもふざけていられる位気持ちを楽にしてみたりと、色々と試してみているのですが、比較的タイムが良いのは、スタート位置についてから集中したときの方なのです。

スタート前の8の字を早めに切り上げて、2台ほど待っている後ろについて、そこで一気にコースを頭の中で復習して、完熟歩行の時に自分で決めたチェックポイントをチャチャチャッと確認してスタートラインに付き、シグナルの『ポ、ポ、ポ』の音と一緒に気持ちを入れて行き『ポーン』と鳴ったときには最大値にもって行きます。

そこからは聞こえる音は自分のオートバイのエンジン音のみで、見えているものはコース上のパイロンだけになっています。

しかし、コース終盤頃には、だんだん視野も広がって来て、会場のアナウンスの声も聞き取れるようになっています。だいぶ集中力が弱くなってきているのだと思います。

ゴール前に回転などが有ると、このせいなのか、よく失敗します。  逆に、走っているときの集中度合いから、現在の自分の競技レベルを考えてみます。

ノービス時代や、C2に上がりたての頃は、スタートしてもアナウンスの声がずっと聞き取れて、コメントに『ニヤリ』とすることもありましたし、コース脇にいる人の顔も認識できる程でした。

これは、それだけタイムアタックに集中していなかったというよりは、それ程集中しなくても走りきれる程度にしか走るための技術レベルが低かったからなのだと考えられます。

実際、フロントの切れ込みに気を配らなくても良いくらい突込みが甘かったり、バンク角も少かったのでしょうし、スピードも遅かったのでしょう。

それが、今では集中力が続かないくらい走りのレベルが上がってきていて、ライダー自身に余裕が無くなって来ているということになります。

事実、1本走りきってゴールエリアから出ると、胃の辺りが『カー』っと熱くなっていることに気が付きます。

自分の気が付かないところで相当のストレスがかかるほどに余裕が無くなってきているようです。そして、ここにこれから超えなければならない壁が有るのではないかと考えています。

今よりタイムを上げるためには当然、全体的にペースを上げていかなければいけませんし、そのためにもっと高度なテクニックを身に付けて、それを怖いのを我慢しながら実践していかなければいけません。そして、その分車体やタイヤからの情報にも気を配らなければいけません。

今現在、ゴールまでもたない集中力では、当然これだけの仕事をこなし切れません。集中力というものの量が決まっていて、鍛えられないものと仮定して、その限られた集中力の中でタイムを縮めていくためにはどうしたら良いのでしょうか?

まず、今よりも高いレベルの技術を今より余裕をもってこなして行かなければいけません。

これは、ひたすら走り込んで自分の技術を全体的に上げていくしかありません。

そして、タイムアタック中に考えなければいけないラインや制動距離などを全て感覚でこなしてそれ程頭を使わなくても良いように沢山練習して経験値を上げていくしかありません。

そのために、練習中もただひたすら走り回るのではなく、「自分と自分のオートバイの制動距離はどれだけか?」に集中して走ったり、「この間隔でおいてあるパイロンはこの速度とバンク角で回りきれる」や、「こういうセクションはどうやって走るのが一番速いのか?」といった風に、ドンドンと自分に感覚として叩き込んでいけるように気を付けて走るようにしています。

こうやってタイムアタック中に考えなければいけない項目を減らして、自分に余裕を持たせることが、次のタイムアタックでのタイムアップに繋がっていくのではないかと思います。

皆さんのタイムアタック中の集中度合いはいかがですか?